Nidec駆動モータシステム「E−Axle」の第2世代製品の量産開始
2022-10-24
ニセコのEV用駆動モータシステム「E−Axle」の第2世代製品(以下「Gen.2」という)の量産が始まった。

“E-Axle Ni100Ex(Gen.2)”
2019年4月、ニセコは一級サプライヤーとして、モータ、インバータ、変速機を一体化したEV用駆動モータシステム「E-Axle(以下「Gen.1」という)」の量産を世界でいち早く展開した。その後、このシステムは主に多くの中国人顧客に採用され、2022年9月末現在、13車種に搭載されている。(2022年9月末現在の生産台数は52万台を超えている)

2022年9月26日、中国広州尼得科自動車駆動システム有限公司で量産を開始したE-Axle Gen.2は、尼得科に基づくGen.1の開発、量産で蓄積された磁気回路設計技術、油冷技術などの技術ノウハウにより、製品の軽量化と静粛性をさらに実現した。

E-Axle Gen.2の特徴(Gen.1100 kWモデルとの比較)
①第2世代製品の高占有率巻線技術を採用したため、磁気回路とインバータの小型化を実現し、重量を19%減少させ、トルクと電力密度を20%向上させた。
②新開発の2 Way油循環方式を採用することで冷却性能を向上させ、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)などの重希土類を大幅に削減できる磁石を採用する。無重希土類磁石*の使用への秩序変換。
③部品配置の最適化、新設計の変速機の採用などにより、静粛性にもともと優れた上位2モデルのモータに加え、モータ騒音がさらに6~8 dB低減された。

*磁石(強磁性体)は一定温度(キュリー温度)を超える環境では磁力を失うが、ジスプロシウムやテルビウムを添加することで耐熱性を高めることができる。ニセコのE-Axle Gen.2は冷却能力の向上により磁石の温度を下げることに成功し、これによりジスプロシウムとテルビウムの使用を大幅に削減することができる。

E-Axle Gen.2は100 kWモデルから量産を開始し、現在生産中の200 kW、150 kWなどの各ラインナップもGen.2に切り替える。

E-Axle Gen.2(100 kW)仕様

●ピーク電力:[email protected]、20 s

●定格出力:38 kW

●出力軸ピークトルク:2400 Nm

●出力軸最高回転数:1250 rpm

●重量:57 kg

●動作電圧:300~460 V

●外形寸法(mm):432.8 x 408.3 x 351.3

ニセコは2030年までにEV用駆動モータ製品の世界市場でのシェア40~45%の実現を目指しており、E-Axleはその実現の牽引力となる。

世界的に実力のある総合電機メーカーとして、今後も薄型・小型技術、高エネルギー効率技術、制御技術を活用した製品を開発し、顧客に迅速に自動車の発展に役立つ革新的なソリューションを提供していく。