TDK株式会社(TSE:6762)は、次世代モバイル機器の無線充電に対応した薄型印刷コイルを2022年5月より量産を開始した。
WCT 38466-N 0 E 0 SST 101製品の開発は、従来のフォトリソグラフィ露光/エッチング技術を採用せず、TDKの転覆性プロセス技術と、アギリス株式会社が開発した有機化合物ポリピロールナノ分散体を用いためっき技術を組み合わせた。無線充電コイルは通常巻線方法を用いて製造されるが、この新しい方法では厚い銅パターンを用いてフィルムに充電コイルを印刷することができる。TDK専用磁性材料の応用に加えて、コイルの厚さは0.76 mmに減少し、従来の3.8 mm直径のコイルの厚さの約5分の1である。また、TDK独自の最適コイル形状パターンを採用することにより、新しいコイルがより大きな充電領域をカバーすることになり、ユーザにより大きな利便性をもたらすことも意味する。
スマートフォンなどのモバイル機器に電力を無線伝送するのはかなり魅力的だ。家庭、オフィス、小売、自動車環境では、ワイヤレス充電の需要が出ています。TD Kコイルの直径は極めて薄く、無線充電連盟が広く採用しているQi基準に合致し、無線充電の配置に新たなチャンスを切り開く。また、従来のワイヤレス充電システムは3つのコイルを統合する必要があったが、現在では1つのコイルしか必要とせず、システムの小型化を実現している。
今後、TDKは今後も無線電力伝送技術の開発を進め、将来の社会に無線電力伝送の居場所をなくすことを目指している。
モデル |
外形寸法 |
インダクタンス |
抵抗(100 kHzで |
---|---|---|---|
WCT38466-N0E0SST101 |
85 x 67 x 0.76 |
10.6 |
0.139 |