株式会社村田製作所(以下「村田」)は、村田初の(1)XBAR技術(2)を採用した高周波フィルタを正式に発表し、量産を開始したと発表した。Resonant社(村田は2022年にResonant社を買収)のXBAR技術と村田独自のフィルタ技術(SAW)を組み合わせた製品。3 GHz以上の高周波数帯域では、この製品は、低損失で必要な信号を検出することができ、同時に隣接する周波数帯域(3)からの干渉信号を除去することができ、主にスマートフォン、ウェアラブルエレクトロニクス、ノートパソコン、ゲートウェイなどの無線通信機能を持つさまざまなデバイスに応用されている。
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(1)データは村田の調査結果に基づいて、2025年7月7日まで。
(2)XBAR技術:この技術は村田のフィルタ分野における専有技術であり、櫛形電極と圧電単結晶薄膜を利用して体音波を励起する。
(3)隣接周波数帯:特定の通信無線規格に採用されていない周波数帯。
近年、5 Gや6 Gなどの移動通信システムの持続的な発展、Wi-Fi 6 EやWi-Fi 7などの無線LAN規格の導入に伴い、超高速・大容量通信に対する市場の需要は急速に増加している。これらの通信技術は3 GHz以上の高周波数帯を用いており、通常は低温共焼セラミックス(LTCC)フィルタまたはバルク音響波(BAW)フィルタに依存して必要な信号を抽出する。しかし、LTCCフィルタと従来のBAWフィルタは、例えば減衰不足の場合、隣接する周波数帯域の不要な信号を効率的にフィルタできず、ノイズを発生させるなど、高周波数帯域用途においていくつかの課題に直面してきた。
村田は今回、Resonant社のXBAR技術と村田の独自技術を組み合わせ、3 GHz以上の周波数帯でも高い減衰能力を備えており、騒音の発生を効果的に抑制している。同時に、高周波通信の重要な需要である低損失と高帯域幅をサポートし、高速、高容量、高品質の無線通信を実現するために有力なサポートを提供している。
XBAR技術はまた、10 GHz以上の超高周波数帯域において高減衰、低損失、大帯域幅を実現することができ、これらの周波数帯域はまさに6 G通信の目標周波数帯域である。村田は、市場のニーズに対応できる高周波フィルタ素子の開発を続け、高性能・多機能無線通信技術の発展に貢献する。
主な特徴
1、市場初の(1)XBAR技術を採用した高周波フィルタ製品
2、3 GHz以上の周波数帯において低挿損、高減衰、高帯域幅を実現
3、村田特有の音響表面波フィルタ(SAW)技術を結合し、高性能と高性価比を兼ね備える