三菱電機、SBDを統合したSiC-MOSFETモジュールのサンプル提供を開始
2023-05-22

3.3 kV統合SBD SiC-MOSFETモジュール


近年、世界的な社会規模での炭素排出を低減するために、電力半導体装置は、特に重工業では、軌道牽引中の変流システムや直流送電システムなどの変流器装置に使用されるようになりつつある。中でもSiCパワー半導体は電力損失を大幅に低減することができ、期待が高まっている。また、大型産業機器については、その変換効率をさらに高めるために、高効率電力半導体モジュールの需要が高まっている。

大型産業用変流設備の高出力、高効率、高信頼性にさらに貢献するため、三菱電機はこのSiC MOSFETモジュールを開発し、SBDを内蔵したSiC MOSFETチップと最適化された内部パッケージ構造を採用し、スイッチ損失を効果的に低減でき、すぐにサンプルの提供を開始する。これで、三菱電機の3.3 kV LV 100パッケージには4つのSiC MOSFETモジュールと2つのSi IGBTモジュールが含まれている。

製品の特徴

1.SBDのSiC-MOSFETを集積し、電力損失を低減し、コンバータ出力電力、効率と信頼性を高める

2.統合SBDのSiC MOSFETと最適化されたパッケージ構造を採用し、会社の既存のシリコンパワーモジュールと比べて、スイッチ損失は91%*4低減し、既存の全SiCパワーモジュールと比べて66%*5低減し、それによりコンバータパワー損失を低減し、出力パワーと効率の向上に役立つ。

3.SBDを集積したSiC MOSFETと最適化された電流容量はコンバータの信頼性を高めた。

4.最適化された端子レイアウト、異なる容量サイズのコンバータに適用

5.最適化された端子レイアウトは並列接続に有利であり、異なる数を並列接続することによりコンバータの柔軟な電力配置を実現する。

6.直流と交流の主端子が両端に配置されたパッケージ設計は、回路設計の簡略化に役立つ。

本製品は「輸出貿易管制令」別表1第2(41)3項に該当する製品である。

*1:Schottky Barrier Diode

*2:Silicon Carbide炭化ケイ素

*3:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor

*4:3.3 kV/600 Aシリコンパワーモジュール(CM 600 DA-66 X)

*5:3.3 kV/750 AフルSiCパワーモジュール(FMF 750 DC-66 A)

三菱電機について

三菱電機は1921年に設立され、世界的に有名な総合企業です。2022年の『フォーチュン』世界500強ランキングでは、351位にランクインした。2022年3月31日現在のグループ売上高は44,768億円(約332億ドル)。技術主導型企業として、三菱電機は多くの特許技術を持ち、強大な技術力と良好な企業信用によって世界の電力設備、通信設備、工業自動化、電子部品、家電などの市場で重要な地位を占めている。特に電子部品市場では、三菱電機が半導体の開発・生産に携わって60年以上になる。その半導体製品はさらに周波数変換家電、軌道牽引、工業と新エネルギー、電気自動車、アナログ/デジタル通信及び有線/無線通信などの分野で広く応用されている。